【大会議】まんがでお悩み解決!レポート

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更新日 : 2017/05/09

~漫画人生相談~まんがでお悩み解決!

一般の人から募集したお悩みを漫画家の先生方に解決策を考えていただき、それを漫画にしてもらおうというコーナー。ユニークな発想と鋭い切り口の漫画が次々と披露され、時に真面目に、時にユーモアたっぷりのトークで会場は笑いの渦に包まれました。

 

■出演者:国際まんが推進協議会の漫画家集団「ぽけまん」所属の漫画家11名

・相談者/あおきてつお先生、はしもとみつお先生、魚戸おさむ先生、国友やすゆき先生、下條よしあき先生、高見まこ先生、立野真琴先生、中山昌亮先生、のむらしんぼ先生

・実況・解説:石川サブロウ先生、本庄敬先生

・司会進行:千野秀和(NHK高知放送局アナウンサー)


画像

千野秀和(以下、千野):さっ、漫画でお悩み解決ということなんですが、事前にホームページ上で受け付けさせていただきました。私も拝見したんですけど、確かに切実な、「これは解決して上げたいな」というお悩みから、「うーん、どうしたらいいやら」といういろんなお悩みをいただいておりますので、三つのご相談についてしっかり漫画で解決していただきたいと思います。それではまず一つ目のお悩みをご紹介しましょう、こちらです。

 

▼お悩み1~もふもふ毛布から出られない~

回答者/下條先生、立野先生、のむら先生

千野:『毛布があまりにもふわふわでもふもふで、くるまったままいつも寝過ぎてしまいます。もふもふの魔力から解放されるにはどうしたらいいでしょうか』相談者N.Hさんからいただきました。さて石川先生、この悩み、漫画で表すとどうなるんでしょう。絵になるとこんな感じです。

<石川先生の絵>


石川

千野:もふもふから逃れられない、人の手を借りても逃れられない状況に、この男性でしょうかね、陥っていますけど。さあこれをどう解決していきましょう、本庄先生。

本庄敬(以下、本庄):石川先生は、私の師匠なんです。石川先生のところのアシスタントを長い間続けてデビューしたので、師匠の絵はけなせません。(笑)

千野:大丈夫です、お悩み相談の方で。(笑)でも、本当に端的に漫画に描いていただくと状況がわかります。

本庄:そうですね、漫画のいいところだと思います。

石川サブロウ(以下、石川):これ以上素晴らしい絵を描かないように。(笑)面白いアイデアで勝負してください。

千野:解決策となる状況、方法をイラストでお描きいただきたいと思います。このご担当が、下條先生、立野先生、のむら先生でございます。さっそく描き始めていただきたいと思います。難しいですね。

石川:あそこの三人はお酒が入らないとのってこないタイプなんで、今日はしらふなんでどういうことになるかわかりません。(笑)

千野:(お酒の)用意はないみたいですね。(笑)第4回から、樽でも置いといた方がいいですね。さあ、お描きいただくのにしばらく時間がかかりますので、今回たくさんお悩みをいただきましたので、他のお悩みを紹介しましょう。『本屋がなくて漫画を買うのに1時間かけて須崎か宇和島に行かなければならない。』Nさんです。これは高知の方ですね、どうでしょう、ある意味、田舎住まいの中での悩みです。

石川:僕は都会育ちなんで、田舎育ちの彼が一番わかるでしょう。(笑)

本庄:みなさん聞いたことのない町だと思うんですけど、北海道にすっつという町があるんです。寿の都っていう。年々人口が減ってきて、今三千人切るか切らないかの。そこに一応本屋は一軒あるんです昔から、文房具屋と。普通のコンビニよりも本がない本屋なんです。だからこの人の気持ちがすごくよくわかります。

千野:あのお悩み相談はしないでください。(笑)

本庄:もう我慢するしかないんじゃないでしょうかね。都会に出たときにたんまり本を買ったら、すごく本を大事にする人になれると思います。

千野:あー、ほんとうに一冊一冊の価値は大きいでしょうね。石川先生はどうでしょう。

石川:そんなに本が流通してないのかな、わかんないですけど。あそこで寝ている国友先生にふってみようかな。本屋がない!

国友:あの、高知県はインターネットはつながってないんでしょうか。(笑)

千野:あると思います!

国友:僕、本屋行かないんですよ、アマゾンで買っちゃうんで。そうするといいんじゃないかと思うんですけど。やっぱり、高知県インターネットがつながってないかもしれないので心配ですけどね。

千野:大丈夫だと思います。大丈夫です。

国友:じゃ、大丈夫ですよ。

千野:おそらくここまで悩まれるのは、手にとって確かめたい、そういう方なのかもしれないですね。

国友:ああ、そうですね。

石川:はしもと先生から何か一言あるらしいです。

はしもとみつお(以下、はしもと):僕、東京の上総という駅の住人なんですけど、一軒も本屋はないです。三軒あったんだけど、全部つぶれちゃいました。だから大丈夫です、東京でこうですから。

千野:何とかなる、どこも条件同じだと。なるほど、どうやらネット活用を求められているという空気が漂ってきましたね。本屋は減っているんでしょうか。ありがとうございました。どうでしょうか、描き上がりましたでしょうか、もうちょいというところでしょうかね。そしたらもう一つご紹介いたしましょう。『部屋がなかなか片付けられないのですが、どうしたらいいでしょう。はかどる方法や片付け方を教えてください』Uさんからです。

石川:うちら漫画家は、みんな片付け下手ですからね。まあこれはなんとも答えが難しい。この中で片付け上手な漫画家いるんですかね。

千野:いらっしゃいますか、じゃ、中山先生。

中山昌亮(以下、中山):いやもう、ゲーム感覚で攻めていったらいいんじゃないかな。一隅に片付けてきれいなところがあると、相対的に他の汚いところが見えてくるじゃないですか。そうすると、きれいなところを浸食している汚さが許せなくなって、ゲーム感覚でだんだん攻めていくという。あと、出したものをすぐしまうというのが一番いいんじゃないかな。

千野:そこはもう、根本的な生活態度ですね。

中山:そうですね、あと、毎朝掃除機をかけると仕事する前にスイッチが入って気持ちよく仕事できるので、毎朝掃除機をかけるのがいいと思います。

千野:私もできない。(笑)そうですね、生活のリズムってあるでしょうね。

中山:案外楽しくなりますよ。片付けられないのが駄目というより片付けるのが楽しいという方向にいくと楽しくなります。

千野:前向きに捉えられるようにすると。

中山:あと、仕事していると、掃除に逃げたくなるんですよ。

千野:あっ、わかります、受験勉強していて掃除しちゃうやつ。

中山:そうそうそう、だから、仕事すればいいんです。漫画を描いていて描きたくなくなったら、いっくらでも掃除しますよ。漫画家目指しましょう、それがいいんじゃないですかね!

千野:なんか、全部そのオチに行かないですかね。(笑)でもそれはなんとなく説得力を感じました。石川先生、それでよろしいでしょうか。

石川:勉強になりました!(笑)片付けるようにします。

千野:これでみなさんのスタジオ、作業場が片付くことを祈念いたします。さっ、そろそろ仕上がって来ました。じゃ、ご紹介いただきましょうか、解決方法を。

本庄:下條先生のができました。これは?

<下條先生の絵>


下條絵

千野:えー、先ほどのような男性が布団に寝ています。「JIN‐仁‐」を読んでいますね。

下條よしあき(以下、下條):はい、布団から出ないでください、極めてください。もう徹底的に極めてたくさんの本を読んで、二年後にどれだけの人間になれるか、三年後にすごい小説でも書けるんじゃないかという、とことん極める。出ようとするから苦しいので、出ないでどれだけのことができるか考えると素晴らしい未来が開けてくるので、どうか出ないで頑張ってください、どこまで頑張れるか、とことん大物になってください。

千野:社会的には、ちょっと反響を呼びそうな。(笑)

下條:肯定的な人間なので、なんでも。

千野:なるほど、出られないならそれを前向きにとらえると。

下條:そうです。もう、出ないのを極める。

千野:はい、わかりました。それでは立野先生よろしくお願いいたします。

立野真琴(以下、立野):出られないんならスーツにしてしまえばいいんじゃないかと思います。

<立野先生の絵>


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千野:もふもふスーツ。

立野:はい、出なくていいと思います。

千野:先生はこれあったらどうします?

立野:着ます。(笑)いつまでも着ます。仕事場で着ます。

千野:これ、下條先生との折衷案で、これでみんな生活すればいいんじゃないか。

立野:みんな、「ぽけまん」の人はそうかね。(笑)

千野:では、のむら先生。

<のむら先生の絵>


のむら

のむらしんぼ(以下、のむら):僕は「コロコロコミック」で子ども漫画中心なんで、シンプルに。これ(つるピカハゲ丸の)ハゲ丸のかあちゃんなんですけど、ハゲ丸がおねしょして(布団から)出れない。先にお知らせしとくのは、作者の私の気持ちがお先真っ暗って気持ちで、徐々に感づいてきましたね、ダジャレ攻めっていう。子ども漫画というのはすぐに、ずっこけたり、ガチョーンって飛び出したりするので。まあ、こんなところです。でね、毛布じゃなくてね、ハゲ田家はそんなに金持ちじゃないんで、いつもの定番ですね。「布団がふっとんだ!」(笑)ダジャレじゃウケけが悪いですけどね。今の笑い声は苦笑いってやつですよね。(笑)ありがとうございました。(笑)

千野:あの~、すみません、空気が若干重たくなったので。

のむら:「布団がふっとんだ」は定番です。お約束。よろしくお願いします。(笑)ほら、みんな頷いていますから。子どもの頃やったギャグですよ。

千野:私もちょうどハゲ丸の連載の時に小学生で、何回言ったかわからないダジャレです。

のむら:「布団がふっとんだ」って言われたら反射的にこうやっちゃうでしょ。ここがミソですよ。

千野:それで飛び出す。

のむら:はい、解決!お悩み相談。

千野:あの、出なくていいという意見と、ダジャレで出ろという意見というふうになりましたけど、石川先生どうでしょう。

石川:そうですね、見た中で下條さんが一番まともかな。というのは「がばいばあちゃん」を入れておれの宣伝をしてくれたから。(笑)まあ、さすが立野さんは少女漫画らしくキラキラな、男には描けない絵で。絵にいっちゃうとどうしても、アイデア的にはどれももう一つかな。

千野:厳しいですね。

石川:ほかの先生方は、あんまり批判できないよね、自分が何言われるかわからないから。(笑)

千野:本庄先生いかがですか。

本庄:みなさんお上手で、さすがプロの漫画家だなあって、おじさんはビックリしました。

千野:ちなみに、この相談を寄せていただいた方は会場には、あっ、いらっしゃってますね。じゃちょっとお話聞きに行きますね。解決になったかどうか。もしお怒りでしたら、そのご意見を。

相談者N.Hさん:みなさん、素敵な絵をありがとうございました。

千野:解決にはなりそうですか

相談者N.Hさん:そうですね、布団の中で極めたいと思います。(笑)

千野:えっ、そっち!(拍手)下條先生の案ということで。じゃあ、今日せっかく会場にお越しなんですけど、こういった姿を見るのは今日で最後と言うことで。(笑)いやいや、これからも「漫画家大会議」のいろんなイベントにお越しいただきながら、布団にこもる日々も徐々に増やしていっていただいて、たまには布団を吹っ飛ばしていただいて、よろしくお願いいたします。

石川:さっきから見ていたんですけど、司会者が一番面白いですね。(笑)

千野:やめてください、やめてください、NHKのアナウンサーなんで。世を忍ぶ仮の姿ですので。では次に行きましょうか、危ないんで。(笑)

 

▼お悩み2~しんじょう君に塩対応されて困っています~

回答者/あおき先生、はしもと先生、中山先生

千野:続いてのお悩み、ご紹介いたしましょう。でも、石川先生、漫画でお悩み解決って面白いですね。

石川:面白いですね、でも回答者でなくてよかったなーっと思っています。(笑)

千野:さあ、速やかに席替えも終わりました。二つ目のお悩みK.Fさんからいただいています。高知と言えば、ゆるキャラグランプリで日本一をとりました「しんじょう君」須崎市のキャラクターでございますけれども、あっ相談者の方が手を挙げてくれましたK.Fさん。珍しい名前ですね。これイニシャルですか。

相談者K・Fさん:はい、イニシャルです。

千野:じゃあとでまたお話をうかがいます。『しんじょう君に塩対応されて困っています』塩対応ってね、某AKBのメンバーなんかもありましたけれど、厳しい対応をされるということで。『しんじょう君ファンで、デビュー当時から知っていますが、最近塩対応されて困っています。どうしたら仲良くなれるでしょうか』これも絵にしていただいています。

<本庄先生の絵>


本庄敬

千野:あっ、なるほど、本庄君も塩対応されている。相当悪い顔をしていますね、しんじょう君。あのいつもの愛嬌が消え失せている感じの。こういう厳しい対応を受けているということで、こんな状況ですか?

相談者K.Fさん:まっ、近いです。

千野:近いらしいですよ。こんな膝から崩れ落ちような状況に陥っているK.Fさんをどうやって助けたらいいでしょうか。では、三人の先生に描いていただきます。あおき先生、はしもと先生、中山先生、さっそく解決策を見いだしてください。これはある意味、タレントとファンの関係のようなもので、しんじょう君、売れていますからね、人気が徐々に出て。最初は地元の小学生、中学生と一緒に踊ってYouTubeに動画をあげたりとか、私も一緒に踊ったりしたことあるんですけど、地元の愛されるキャラクターから日本の、世界のキャラクターになりつつあるということですよね。石川先生、このキャラクターが確立しているしんじょう君、ご存じでした?

石川:いや、知らなかったです。

千野:ゆるキャラグランプリでグランプリをとって、これから世間に打って出ていくというキャラクターです。

石川:どうですか、描いてみて。

本庄:あのー、カワウソですよね。かわいくて…たいへん…すてきなキャラクターです…

千野:それは、塩対応されるかもしれません。(笑)

本庄:頭の気持ち悪いのはなんですか。ラーメンですか?

千野:あっ、よくご存じで。須崎市の名物鍋焼きラーメンです。

本庄:ああ、それなんですか。

石川:昨日食べてきました。とってもおいしかったです。

千野:それを被っていて、あの帽子を他のゆるキャラに被せると仲良くなれる。

のむら:やけどしないんですかね、鍋焼きを頭に被って。

千野:まさか、のむら先生から素でそんな質問が来るとは思わなかったです。

のむら:本庄先生がなんかしゃべれと。

本庄:あれ、帽子を取るとカワウソらしくてかわいい。

千野:つるんとした。

本庄:あの感じですよね。しつこいようですけど、しんじょうとほんじょうで、なんか愛着があるんですよ。だから、なんかいいなあと思ってます。

千野:あの、抱き合わせでどっか、観光キャンペーンに行きたいとかそういう野望を抱いていらっしゃる。

本庄:それに、下條さんもいるんですよ。

千野:ああ、そうですね、確かに。

下條:えっ、急に振らないでください。本庄、下條、しんじょう。

千野:じゃ、三人組で。

下條:トリオでなにかやりましょうか。

本庄:よろしくお願いします。

千野:まっ、関係者の方、聞かなかったふりでいいと思います。じゃ、その他のお悩み、ご紹介しましょうか。次は漫画本の保管について。これ、長いんですけど。『漫画が好きで現在一万冊程度を収蔵しております。実際には数えたことがないので何冊持っているのかわかりません。電子媒体でも持っていますが、やはり紙の単行本が好きです。現在は借家住まいで今の家には現在連載中の漫画のみ1,500冊程度置いています。その他の本は実家に置いています。本の重量で床が抜けてしまう可能性があるため分散させて保管しています。実家の母は漫画本をゴミのようにしか思っていません。何度も捨てられそうになる危機を阻止してきました』二枚目に続きます。(笑)『気がつかない間に処分されたものがあるかもしれません。悩みは漫画の保管方法です。嫁さんも漫画を読みますが、古くなった漫画はゴミのように思っています。さすがに母のように捨てることはないと思いますが…。現在戸建てを新築することになっています。そこで漫画を一カ所に保管できるよう書斎兼、書庫をもたせた家のプランを立てていますが、現状のプランでも、全部が一カ所に保管できないと思います。また現在も最低で月50冊ずつは増えていっています。今後も増え続ける漫画をどのように保管していけばよいか悩んでいます』M.Nさんです。

石川:すごいですね。

千野:すごい方ですね。本が多いんですけど、(お悩みを)まとめろ!(笑)

本庄:たしかにうちの知り合いなんかでも、実際にアパートの床が抜けたという人はいるんですよ。さっきの人じゃないですけど、部屋を片付けない人なんです。

千野:なるほど、ダブルですね!

本庄:ええ、それで柱が腐って抜けたという人がいたくらいですから、かなり気をつけた方がいいと思います。漫画家からすれば、その単行本を捨てないで持っていてほしいなと思いますね。

千野:そうですね。どうしましょう。

石川:僕は、漫画は捨てないで屋根裏に今ぎっしりと。たぶん、五、六千冊あるんじゃないかな。

千野:へー!

石川:当時、漫画家になりたての頃に集めた漫画がごっそりとあるので、僕も、床が抜けないかちょっと心配なんですけど。

千野:二階どころか、天井が…。

石川:そうですね。(笑)

本庄:きっとみなさんも、漫画の数は多いと思います。

千野:どうでしょう、今お描きのお三方以外の方で、こうしたらいいんじゃないかというご意見はありますか?

石川:下條さん、けっこう持ってるんじゃないですか?

下條:要するに、同じなんですよ。やっぱり極めると。それをもう全部読み尽くすと。

千野:いっそのこと、漫画本で家を作ってしまえばいいんじゃないですか。

のむら:(笑)このアナウンサー、全部持って行きますねー。(笑)

下條:ねえ、漫画家は超えないで、お願い。(笑)

千野:(笑)いや、漫画家は超えないんで!みなさんもっとウデを出していただけると思って、ちょいちょいハードルを。

石川:漫画家は、漫画よりも資料の本が大変なんですよね。

千野:ああ、そうでしょうね。

石川:捨てるに捨てられなくてね、いずれ使うんじゃないか、いずれ使うんじゃないかってもうたまる一方で。

千野:ああ、わかります。

石川:(『JIN‐仁‐』の作者の)村上もとか先生の書庫なんてすごいですよね。医者の本、当時の歴史の本とか。だからいずれどうするのか、いらなくなったらみんなに配るのか。その時にもらいにいこうかなとかと考えています。(笑)

千野:なるほど、そういったところも将来的には。じゃ続いてその他のお便りにいきます。

『猫以外のものへの愛情の注ぎ方を思い出せません。我が家で暮らす三匹の猫たちがかわいすぎて、最近ちっともお出かけする気がおきません。友人には「相変わらず猫にだけは優しいね」と皮肉を言われます。のびきって日向ぼっこする姿も、舌をちょっとだけ出して仰向けで寝る姿も、目をキラキラ輝かせながら遊びを催促する姿も、ふわふわの肉球も、三角にとがった耳も、米粒のような小さい牙も、もうすべてにメロメロです。かわいいニャンズたちと一日でも長く一緒にいられますように、ニャンズたち以外にも優しくなれますように』ほんとについでですね、この一行が。そこだけが相談ですけど。猫ばかキングさんからですけど、どうしましょう。

本庄:答えは簡単だと思うんですけども、人間も猫だと思えばいいんじゃないですか。

千野:なるほど!

本庄:魚戸さん、どう思いますか。

魚戸おさむ(以下、魚戸):聞いてなかった、ごめんなさい(笑)

千野:まあ、ざっくり言うと猫だけ好きな人に人間を愛してもらうにはどうしたらいいでしょう。家族とか友人とか、その他に豊かに愛情を注ぐようにするには。

国友やすゆき(以下、国友):家族全員に着ぐるみを着てもらってですね、猫の格好をしてもらうのが一番いいんじゃないですか。(笑)

魚戸:僕ね、実は言葉に詰まっていたのは、アナウンサーがいっぱい読んでらっしゃいましたよね、一字も引っかからずに、すらすらすらーっと読んでいくのがあまりにも素晴らしくて、感動していたんですよ。さすがだなーと。(拍手)

千野:いやいやいや、やっててよかった!(笑)で、だいたい次で噛むんですよ、いや、ありがとうございます。(笑)なかなか答えに困る悩みもお寄せいただいていますけど、確かにもうみんな、地球上の人類すべて猫になればいいんでしょう。雑っ!(笑)でもまあ、愛する気持ちはどうしようもないですからね、それでも、何も好きじゃないという方より絶対ましだなと思います。ほんとうに猫が好きなんですからね。さあ、そうこうしているうちに、お三方いかがでしょうか。もう完成された方いらっしゃいますか。

石川:じゃあ、はしもと先生からお願いします。それ、自分ところの犬じゃないの?

<はしもと先生の絵>


画像

はしもと:そうです。(笑)うちの犬はほんとうにバカ犬だったんですけど、仕方なくドッグトレーナーに出したら本当にいい子になりました。自分の家だけだけど。人様にはいまだにうなったりするんで。ということで、しんじょう君にはしつけをし直してもらったらいいんじゃないかなと。

千野:あれ、しんじょう君がそそうをしているんですか、あの奥の方。

はしもと:そうですね、犬のフンは持ち帰りましょうね。しんじょう君はイヌじゃないか(笑)

本庄:はしもと先生、小学生じゃないんですだから、どこにでもウンコは描かない方がいいと思います。(笑)

はしもと:いや、大好きなのよ。

千野:こんなことするようになったら、もういよいよほんとうに、かわうそトレーナーをどっかからか探してきて。絶滅しているのでトレーナーいるかどうかわからないんですけど。

はしもと:じゃあ、犬のトレーナーでいいんじゃないですか。(笑)

千野:わかりました、再教育というのは一つのプランですよね。どうでしょう、あおき先生、中山先生。

あおきてつお(以下、あおき):えー、しんじょう君に塩対応されてどうしたらいいか。儲け話をふっかけて、仲良くなる。「ふなっしー」のようになれと!どうでしょう。

<あおき先生の絵>


あおき

千野:生臭くいけと!

あおき:「おまえも悪よのう」という感じで。

千野「おまえの才能を金に換えてみないか!」

あおき:そう。もう、ゆるキャラじゃないです。(笑)

石川:でも、漫画的には、今これが一位ですね。(笑)

千野:なるほど、さすがにしんじょう君も大人として対応するだろうと。地元の須崎の中学生たちは、どんな思いで彼を見つめるのかなあというのを思うと、涙しか出てこないんですけど。中山先生どうでしょう。

中山:あとちょいと!

千野:ああ、あとちょいと。今二つ、ご回答がありましたけど、相談者のK.Fさん、どうでしょう。

相談者のK.Fさん:しんじょう君に儲け話を振るというのは面白そうかな、と思ったんですけど、実際しんじょう君お金を稼いでいるので。須崎市のふるさと納税で10億円クラスですね。今日しんじょう君はハワイに行っています。

千野:ちなみになにか、儲け話はお持ちですか?

相談者のK.Fさん:いや、特にはないです。

千野:仲良くなれないじゃないですか。(笑)じゃ、ちょっとそれは考えておくということで。もうひとつのトレーナーは?

相談者のK.Fさん:トレーナーは難しいです。しんじょう君、髪の長いトレーナーの方が横にいますので。

千野:市の職員の方ですね。ただ、手綱が引けているのか、引けてないのか、誰にもわからない状況なんで。どうなっているのかな、というのがありますけどね。

石川:あっ、中山先生ができました。

千野:ではさっそくお願いします。えーっ。

本庄:すごいですね、これは。

<中山先生の絵>


中山先生

中山:もう、どんだけ塩対応をしてくれるのか試してみたらどうです。徹底的に嫌われてみたらどうかな、という気がするんですよ。例えば、無視できないような気持ち悪いやつに偽物かなんかになって嫌がらせしてみるとか。どういうような反撃を彼がしてくるのか、攻めてみたらどうでしょうかね。もしかしたら、憎しみの果てにわかり合えるかもしれないです。

千野:なるほど、仇討ちのために追っかけていったら、なぜか友情が芽生えた、みたいに。

中山:そんなような感じで。

千野:こっちからすがりつくからあいつは調子に乗るんだ、と。あのしんじょうの野郎!

中山:もしかしたら彼、ツンデレプレイをしているのかもしれない。そんなのも打ち崩してやるくらい、こっちに憎しみの感情を向かわせてくるぐらいの感じにしたらいいんじゃないですかね。

千野:なるほど、ガチで対立構造を一回作ってみるということですね!

中山:そうそう、そうそう!愛情と憎しみは表裏一体なんで。

千野:なぜかわからないですけど、きれいにまとまったのが私には不思議でならないんですけど。(笑)

中山:僕もです!(笑)

本庄:私らも何も口を出せません、なんか納得してしまいまして。

千野:じゃあ、今の三つの解決方法、どういたしましょうか。

相談者のK.Fさん:あのー、三つともミックスして解決しようかなと思います。

千野:あの、どうなるのか楽しみなんで、あとで教えてください。(笑)

相談者のK.Fさん:ちなみに、しんじょう君の塩対応は、横にいたらぶってきたりとか、一緒に写真撮ろうと思ってもしんじょう君と目線が違うとか、ある意味、アーティスト写真のような感じになる。くらいの塩対応をされています。

千野:なるほど、それはそれで喜んでらっしゃる気がします。(笑)もういいですかね。(笑)

相談者のK.Fさん:はい。

千野:ありがとうございました!

<拍手>

 

▼お悩み3~大人が漫画を読んで何が悪い~

回答者/魚戸先生、国友先生、高見先生

千野:それでは三つ目のお悩みにいきたいと思います。『大人が漫画を読んで何が悪い。漫画は大人が読むもんじゃない、バカになるといったことを前はよく言われました。しかし漫画は全世界で認知度を獲得しており、グローバルスタンダードとなりました。よりよい作品を提供してほしいです。大人でも読める漫画をぜひ増やしてください』相談者M.Iさんです。今日はいらっしゃっていますか?ひょっとしたら県外の方だったりするのかな。それか、とてもシャイな方なんでしょうか。こちらのお答えをいただきますお三方に、(席を)交替していただきまして。この状況を漫画で表すとこちら。

石川:この絵は、某先生に描いていただきました。9人の中の誰でしょう。

<あおきてつお先生の絵>


画像

あおき:これ、お悩みなんですか?大人でも読める漫画を増やしてくださいというご希望なんじゃないですか。

千野:そのニュアンスが多分に含まれていますので、みなさんならこう解決するとか、例えば、「大人でも読める漫画、じゃあこんなのがあったらいいかもね」っていうイメージみたいなものでもいいですし。

あおき:みなさん、これ、相談じゃないですよね、よく読むと。

国友:しかも「ぽけまん」の先生方はみなさん、大人の耐えうるような素晴らしい漫画を描かれているので、もう全て解決済みです。

千野:ここにお集まりのみなさんが描かれている漫画が「あっ、こんなのあったんだ、ごめんね」と相談者に言わせるためには、どう伝えたらいいのか。

石川:余計なこと言うから難しくなっちゃうんですよ。(笑)

千野:バックヤードがこれを採用したようなので、これに答えなきゃいけない状況ではあるんですけど。

石川:はい。頑張ってください!(笑)

千野:どうしたらいいんでしょうね、これ。「大人でも読める漫画をぜひ増やしてください」それか、よりよい作品は今作ってくださいって言ってできたらここで描かずに、本職で描いていただきたいですけど。大人が漫画を読んで何が悪いと、不満を抱いていらっしゃるので、そういう世の中にするにはどうしたらいいか、ということでもいいかもしれませんね。それから、そう言ってきた人にどう切り返すかとか。石川先生、最後の最後に難問というか、難しいですね。

石川:難問ですよね。やっぱり回答者にならなくてよかったとつくづく思います。(笑)

千野:それでは、その他のお悩みを見てみましょうか。「宝の山を穏便に取り戻したい」

長いですね、また。『中山間地域について考えるとき、いつも思い出す風景があります。山菜もタケノコも、きのこも、みかんも柿もとれるこの山は、私らにとって宝の山やった。今は全部お猿さんにとられてしもうちゅう。悲しそうに山に目をやるお婆さんの表情が忘れられません。』なんかドキュメンタリーみたいになってきましたね。『高齢化が進み耕作放棄地や手入れされない花木が増えた里山は、今は猿たちの格好の餌場になっています。狩猟者に入ってもらったこともあったそうですが、「猿だけは撃ちとうない」と言われたそうです。子猿たちが屈託なく遊ぶ様子や、両手を合わせて命乞いする母ザルの仕草が人間の姿に重なり、とても撃つ気にはならなかったそうです。昔、人間の住む地域と動物たちが暮らす地域の間には境界となる一定面積の土地があり、人間と動物はうまく共存することができていました。けれども近年山が荒れてきたことで動物たちの食料が不足しており、一方で里山には田畑を管理する人が少なくなってきているため、人と動物の暮らす地域の境界はどんどんと曖昧になってきています。昔のように人間と動物がうまくすみ分けされ、中山間に暮らす人たちが宝の山を取り戻す手段はないものでしょうか。』Y.Kさんです。

本庄:素晴らしい、うまいっ!噛まずに。

千野:こんなイベントでしたっけ!(笑)壮大なテーマです。

本庄:すごいテーマですね。

石川:僕も今、自分が描いている漫画が農業漫画なんですけど、こういう取材に行くとこういうお話を聞いて。漫画でどう解決できる話でもないんですけどね、けっこう、それを漫画で描いたらどうなるかね。

本庄:売れないですよね。(笑)今、料理漫画を描いているんですけど、その昔、動物と自然をテーマに、10年、20年、描いていましたけど、食えないですよー、仕事来ないですよ-。

千野:そうですか。でも思いついたのは、先生方を前にしてあれですけど、「カムイ伝」のような漫画が読まれるような世の中になると、また変わってくるのかなと思いましたけど。

本庄:そうですよね。そうは思うんですけども、なかなかうまくいかないです。(笑)

千野:難しいですね、これは本当に。あとは、自治体の中でパンフレットを漫画で作るなんてところも増えてきましたよね。その中のメッセージとして漫画が活用されていくというのはどんどん増えていますから。…解決できません!(笑)テーマが壮大すぎて。ただ何かの形で漫画やイラストが一助になることは、私は確かじゃないかと信じているので。

本庄:僕も、そういう時代が来ると思いますので、がんばります。

千野:さあ、もう一つ、ご紹介しましょう。『ネットのつながりと現実のつながり(出せない手紙)。イベントで知り合いラインを交換し毎日のように連絡を取り合っていたのですが、ラインのデータ移行に失敗してしまい、残された連絡先は住所のみ。手紙を出すしか連絡方法がないのですが、相手は実家暮らし。県外からいきなり手紙が来たら家族がびっくりするのではないかと心配になり手紙を出せずにいます。僕はどうすればよいでしょうか。』K.Kさん。そういう時代なんですね。

本庄:これは、立野先生どうでしょうか。

千野:たぶん、恋愛が絡んでいるんじゃないかな。実家に直接手紙を送っていいのだろうか。

立野:共通のお友達はいないんですかね。伝えてもらうのが一番いいと思うんですけれども。(笑)

千野:なるほど、そこがないとしたらどうしましょうか。もう直接のつながりしかない。

立野:直接のつながりしか…あきらめましょう、もう。(笑)

千野:やっぱり、やめた方がいい。

立野:やめた方がいいと思います。あきらめましょう。

千野:あきらめてください。でも、昔は実家に電話しなきゃいけないというのが当たり前でしたもんね。

本庄:そうですね、お父さんかなんかにどやされたりするという。ドラマでもありましたもんね。

千野:そうですよね、いきなり、どなられて。

本庄:先生はそういう経験ないですか。

石川:いやーありますね。(笑)むかーし、村上もとか先生に、俺がラブレター書いたら添削されて「書き直せっ」て言われました。(笑)その一カ月後に振られました。(笑)

千野:でもそれは、ある意味、価値があるやりとりでしたね。

石川:いやー、価値はなかったですね。(笑)

千野:あれ?ただこっぴどく怒られた。

石川:怒られて、それから手紙恐怖症になりましたね。(笑)

千野:手紙は難しいですよね、読んだときに見えないですからね。

石川:ええ、そうですね。で、どういう解決?

千野:「できません!」という先生の断言が何より力強かったので。これはやっぱり「次に行きましょう」ということですね。出会いのきっかけはいろんなところにあると思います。じゃあ、もう一ついきましょうか。「後継者育成」というのがきています。『当方ボランティアでイベントの実行委員長を務めておりますが、なかなか後継者に出会えません。いい人がたくさんいて、それぞれ私にできないことができるすばらしい尊敬と感謝の対象であるのですが、委員長となると…。私の理想が高いのでしょうか、それとも何かを見落としているのでしょうか。』相談者K.Yさんです。

本庄:下條先生、いかがですか。

千野:いろんなすぐれた人がまわりにいるんだけども、トップを務める人材が自分からはいないように思える。私なんか、このイベントの周辺にいる人なんじゃないかと思って気が気じゃないですけど。(笑)

本庄:これは、ほんとに、ほんとに考えてしまいますね。

はしもと:見落としてんじゃないですか?

千野:やっぱり、人はまわりにたくさんいらっしゃるでしょうから。

はしもと:あんたが悪いんだよ。(笑)

千野:多分そうですね、何か見方を変えるなり。そういう人を見る態度を変えるって難しいじゃないですか、どんなことをしたらいいでしょうね。漫画家のみなさんって人を観察するってところはあると思うんですね。作品に生かすために。そんなときの姿勢みたいなもので、こうしたらいいんじゃないかな、なんかありますかね。

のむら:アシスタントとか、育てる、なんて思うとまず失敗しますよ。それよりも何よりも、「自分はなんにもできねえんだ」ということを力強く思うことですね。自分はなんもできないんだから手伝ってもらう、だから君たち頑張って僕を助けて、っていうふうになったら、「しょうがねえなあいつは」、ということで若い人たちは育ってきてくれますよ。だから、自分は無能だ!ということを自覚することが大切な気がします。

千野:昔の項羽と劉邦の劉邦みたいにとにかく人が集まってくれて、奴らのおかげで天下をとったんだというような。

のむら:生かしてもらっている、という。

千野:実感としてあるわけですね。

下條:私、のむらしんぼ先生とカルチャースクールで漫画講座をやっているんですけれど、そこの生徒なんですけど、教えているわけですけど、教えてもらおうと思って来る子どもたちは駄目で、自分から何かを得ようとして必死になってくる子はどんどん育ってくる。来て聞いて、何かを教えてもらうんだっていう受け身の体勢は駄目。受動的ではなくて能動的でないと。そういう人材を作っていくしかないと思いますね。

千野:積極的に自分から前に出る。その中で、ゆくゆくは「君がまとめ役になってね」っていう。

下條:そうです、そういう能動的に動ける人材を高知でたくさん輩出してゆくという。高知は明るい未来です。

千野:広い話をしていただいてありがとうございます。結局そうなんですよね、こちらの姿勢が問われているということですよね。はしもと先生から流れが一貫して。

石川:本人は、すごくいい加減な人間なんですけどね。(笑)

千野:さっき、ウンチ描いていましたからね、そういうことじゃない。(笑)いや、本当にありがとうございました。そういうことだと私も勉強になりました。さて、お話をしている間に絵の仕上がりはいかがでしょうか。ぼちぼちという感じですね。でも、ちょっと難しいテーマでしたね。

下條:(絵が仕上がるまで)もう少しかかりそうなので、話をもう少しずらさせてもらって。先ほどの(中山先生の)絵が、だんだんとんでもないことになっているんですけど。

千野:仕上げに入っている。うわーこわいー。

下條:すごいー、みなさん見たいでしょう。うわー、こりゃいいわー。

千野:鍋焼きラーメン被っているはずが、これ。

下條:すばらしいー!

千野:あの、柳の木を被っているような感じになっています。

下條:中山先生の世界になりました!

千野:なんか(映画の)「スクリーム」のようになっています。

本庄:びっくりしましたー。なんもしねえでなんかやってるなーと思っていて、気にはなっていたんですけど。

<中山先生がお悩み相談で発表したしんじょう君の絵をさらに加筆>


画像

千野:関係者の方、いても作らないでください。誰も高知県に来てくれなくなる。これ空港でお出迎えしていたら、たぶん子ども泣きますよね。

本庄:中山先生は、今大変なんですよ、締め切りに追われて。(笑)同じ北海道人なんですけど、唯一北海道の札幌で暮らしているんです。明日お帰りになられたら、すぐ締め切りが残っているんで。今、ドローイングで描いているのは本当の原稿なんですよ。(笑)

千野:えっ、高知に持ち込んで。

中山:はい、だから、ここでも描いていたいんですけど。(笑)

本庄:それが、ああさせたんだと思いますよ。

千野:まっ、とにかく筆を動かしたい衝動がその作品を生み出したわけですね。

本庄:そうですね。

石川:だから、もし生で見たかったら、どうぞ「ぽけまん」ブースまで来て、のぞき込んでもぜんぜん大丈夫ですから。

中山:ぜんぜん大丈夫です、見ていってください。

千野:ただ、追い込まれている中山先生がいるという。(笑)

石川:それから、「ぽけまん」ブースで4時くらいに、漫画家に質問したいとか、相談したいとかありましたら多くの漫画家がいますんで、なんでも答えますので、もし、興味のある方は来てください。

本庄:それとブースの方で原画を貼っていますけど、カラーコピーもありますのでもし欲しい方がいれば、先生方にサインを入れてもらってプレゼントしますので、帰る頃に声をかけてみてください。

千野:そうですね、ありがとうございます。そろそろ仕上げの段階に。テーマがテーマでしたしね、みなさん大人の漫画をっていう、けっこうしっかりお描きになって。

石川:みんな、老眼なんだね、大変なんだろうけど。(笑)

千野:一応2時までのイベントということですね。もう、出来上がり次第すぐにご覧いただいて。解決しました、さよなら!

本庄:それも面白いですね!

千野:投げすぎですけどね、放送でこんなことをやったらたぶんもう私は二度と画面に出られないと思いますけれども。(笑)

石川:もうそろそろ、そのへんで誰かあげないの?

千野:こちらのお三方だけ空気が違う。

本庄:漫画家ってこういう感じでこつこつこつこつ毎日机に向かっているんですよ。飯食うときと寝るときと風呂に入るとき以外はずーっと座っているんですよ。胃腸は悪くなるし、足腰も悪くなるんですよ。目も悪くなる。何より痔が多い。(笑)

千野:沈んじゃったじゃないですか(笑)

石川:身につまされちゃってね、否定できないよね。

本庄:心臓も悪くしますしね。

千野:そこまでして、努力をされて描かれている作品だから、「読みもしないでバカにするな!」となりますよね。

本庄:ほんと、そうですよ。うまいなー、さすがNHKですよねー、まとめ方。(笑)

千野:いや、そこまで言ってくださると思って待ってたら、間が開いたので。(笑)

本庄:おれもうどうしょうかなと思って、いらないことを口にしたなと。(笑)

千野:痔で終わったら、ただの苦労話。

本庄:痔で終わったと言ったら、うちの友達で…(笑)ああ、もういいですね。

下條:漫画家って自虐的な人めちゃくちゃ多いですからね。自虐自慢ばっかりしますので。

千野:このトークショーやってて、本当に思います。あげようとすると「いや、あのときは大変でね」とすぐ低空飛行に入る方が。さあよろしいでしょうか。じゃあ、魚戸先生にあげていただきましょう。

 

千野:「いいんです、クーッ」てやつですね。某カードのCMにも出ている方ですね。

魚戸:ようはですね、大人が漫画を読むということは、漫画を買ってくれるということ。買ってくれるということは、売ってる書店さんが喜ぶ。出版社も印刷会社も喜ぶ。すべてのいろんな人たちが喜ぶということにつながります。それをやっていただくことで漫画関係者すべての人たちが幸せになるということなので、もっともっと読んでほしいということにつながりますので、逆に、もっともっと、めちゃめちゃ読んでください。

千野:負けるな!と。

魚戸:はい、そんなこと、どうってことないです!ただ、それだけです。

(拍手!)

千野:もう、読みまくってくださいと。そうですね、ここにいらっしゃるみなさんはそういう方たちばっかりだと思います。

石川:では、国友先生。

千野:お願いします。

<国友先生の絵>


国友

本庄:素晴らしいです!

国友:大人の読める漫画を描いてくださいとおっしゃるので、がんばります。それ以外にありません。しかも私の場合、あまり上品でもないんです。大人向けということで、ますます頑張って、大人に耐えられるような大人向けの漫画を描いていいのかなと思うんですが、描き続けます。(笑)ありがとうございます。

(拍手!)

千野:ありがとうございます、直球で姿勢を示していただきました。では高見先生。

 

高見まこ(以下、高見):これは、自分への反省でもあるんですけれど、私が20代からずっと漫画を仕事にしておきながら、自分の子どもには「漫画ばっかり読んでるんじゃない!」って言い続けてずっと育ててきたので。ことあるごとに、「また漫画読んで!」みたいな感じで、挙げ句の果てには、出版社から送られてきた漫画を押し入れに隠すという状態だったので。というのはけっこうエロ漫画に近い週刊誌も送られてくるので、これはちょっと小学生にはどうかなというのはこっそり隠していたんですけど、いつの間にか息子の友達の間で、「あいつの家にいけばエロ漫画が読める」という子どもが集まってきたりして。(笑)うちはワタベって言うんですけど、お友達のお母さんの間でも「ワタベさんちはたまり場になっている!」とか、すごい突き上げを食らったりしたこともあるんです。そういうこともあって「漫画ばっかり読んでないで宿題は!」とか、ずいぶん自分を棚にあげて言ってたんですけど、でも息子が大人になってみると、それはそれで、手塚先生の漫画とか大好きで「火の鳥」とか「ブッダ」も大好きで、親の知らないところで何回も読んでいて、今の流行の漫画なんかもいつの間にかちゃんと知っていて、友達ともネットでやりとりして、音楽にも興味を持って友達とバンドを組んで遊びに行ったりとかしているので、もう、漫画を読むということに対しての弊害はぜんぜんないと思っています。むしろ、大人こそこれからどんどんもっと漫画を読んでいただきたいと思っています。それに、大人の人も楽しめる漫画をわれわれ「ぽけまん」も頑張って描いていかなきゃなと思っております。

<拍手>

千野:ありがとうございます。

本庄:素晴らしい!

千野:漫画の魅力を知らない人は、なかば「なんだい自分ばっかり」という思いもあるのかなって思います。ただ、みんなが漫画を等しく読んでいれば、たぶん価値もわかるし。「これは読みすぎだな」、とか「ちょっと勉強しよう」とかバランスも自分で整えていくんだと思います。

本庄:そう思います。

石川:これは、一位とか二位とかを決めるのではないんですね。(笑)

千野:はい。これは解決方法として、みなさんにさらに作品を高めていただけるということと、また漫画をしっかり読んでもちゃんと人は育っていくんだというところもいただききましたので、無事解決かなと私は思っています。

本庄:素晴らしいですね。最後の案としてはとってもよろしいと思います。

千野:これでご相談はすべて解決ということで。

石川:まだ、なかやま君は変なことやってる。(笑)

千野:仕上がったものはたぶんどこかに展示されますので、それをご覧いただきたいと思います。では、一言ずつ石川先生、本庄先生。

本庄:本当にありがとうございました。1時間つきあってもらって、だらだらしてて、漫画家ってこんな感じです。すみませんでした。(笑)ありがとうございました。

<拍手>

石川:今日は本当に楽しかったです。こういう内輪ネタみたいなのは、さっきも話したようにあちらのブースで、例えば「漫画家の原稿料はいくらか」とか答える人もいると思うんで。(笑)そんな、普段聞けないことも聞けるんで、ぜひ来てください。

千野:そうですね、悩み相談もあれば、ひょっとしてお答えいただけるかもしれません。引き続きそちらのブースでみなさんお待ちになっておりますのでよろしくお願いいたします。ご相談、ご対応していただきましたみなさんに改めて大きな拍手をお願いいたします。

<拍手>

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