【レポート公開】池田秀一&古谷徹トークショー

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更新日 : 2019/04/12

第5回全国漫画家大会議inまんが王国・土佐

池田秀一&古谷徹トークショー

 

 

まんが王国・土佐の3大まんがイベントの一つ「第5回全国漫画家大会議inまんが王国・土佐」に池田秀一さんと古谷徹さんを迎え、「スナックはりまや橋」に来たお二人という設定でトークショーが繰り広げられた。

ここでは、特派員によるお二人の軽妙なやりとりと会場の熱気についてレポートする。

 

【古谷徹さん登場】

まずは名探偵コナンのテーマソングにのって、古谷さんが登場。高知のイベントにふさわしく土佐のお酒への愛を語った後、飲み物について聞かれると、高知の地酒、瀧嵐をチョイスした。


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高知について聞かれると、まんが甲子園(平成26年)、まんさい(平成27年)、アニメデビュー50周年サイン会(平成28年)で過去3年連続で高知に来たことがあり、仕事の後は必ずゴルフを楽しみ、かつおの塩たたきを食べたことなど、高知を満喫したエピソードを披露した。※まんが甲子園は台風で出番は中止となった

アニメ名探偵コナンの安室透について、古谷さんが声優をされることに決まっていたと思うかという質問に対しては、青山剛昌先生の記念館にシャアに扮した写真があることや、安室透の名前がアムロ・レイと古谷徹を組み合わせたものであること、安室透の愛車のナンバーが古谷さんの誕生日であるといったガンダム愛にあふれる話から想像すると、最初から意識してもらっていたかもしれないと答えていた。

 また、劇中の同一人物である降谷零、安室透、バーボンについては、姿が見えなくても三人のうちのどの顔かわかるようにしたいので、一番シャープで低い声で大人っぽいのが

降谷零、爽やかな青年で比較的に高い声なのが安室透、得体の知れないミステリアス部分を出したいので、幅広い音域を使うのがバーボンと演じ分けているとのこと。

 声優になったきっかけや声優一本でいこうと決めた時期について聞かれると、5歳で児童劇団に入ったことを皮切りに、13歳でモノクロアニメーションの主人公を演じたのがアニメデビューで、その2年後に巨人の星の星飛雄馬を演じ、一時期学業のための休業を挟んで、進路を決めるに当たって、芝居のおもしろさや難しさ、そして達成感を思い出し、チャレンジしたくなって大学卒業前にプロダクションに入り、それから熱血ヒーローを数作品演じた後に、25才でガンダムのアムロに出会ったと語る古谷さん。

古谷さんにとってもガンダムという作品との出会いは大きかったそうで、「父ちゃん、俺はモーレツに感動している」で体に染みついた飛雄馬節に、「このままじゃいけない。飛雄馬から脱皮したいと思っていたときに出会ったのがアムロ」であり、アムロを演じることで、熱血だけでなくナイーブな役も出来るということが周りに伝わり、ご自身でも自信ができて声優一本でやっていこうと決意されたそうだ。

 

【池田秀一さん登場】

 と、ここで「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の主題歌が流れ、古谷さんの「シャアだ!ヤツが来たんだ!」という台詞に呼応するように、シャア・アズナブルの「アムロ・レイか」との声とともに池田秀一さんが登場した。


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池田さんも瀧嵐を片手に司会から高知での思い出を聞かれると、30年前に舞台の関係で来高したが飲んだ思い出しかないと酒好きらしいエピソードを語った。更に、池田さんが声優になったきっかけについて聞かれると、洋画のアテレコを始めて5年後くらいに、ガンダムの音響ディレクターと一緒に飲んでいるうちにアニメにも誘われ、しばらく断っていたが、飲むたびに言われてめんどくさくなってやることになったという、高知のイベントにふさわしく酒にまつわるエピソードが続く。

 古谷さんからの「ブライト・ノア役の鈴置洋孝さんと池田さんが新宿の繁華街に仲良く手を繋いで消えていくのを見ていました」との発言に、池田さんが「バカにしていたんですよ。酒を飲んで友好を深めるというのはあんまり好きじゃなかったみたい。」と返した。古谷さんは当時ジュースでも本音で話せると思っていたそうで、アムロのような少年らしい正義感を持っていたことがうかがえた。

 ガンダムのオーディションもお酒につられて行くことにしたという池田さんだが、そこで最初にアムロのオーディションがあり、シャア役もあったのでついでにやらせてもらったら、それがきっかけで40年のつきあいになったという。声を吹き込む際には、本人曰く「何もしない」。キャラクターに面と向かうとシャアのときにはシャアが、赤井秀一のときは赤井秀一が出てくるという。

司会から「キャラクターが憑依する?」との問いかけに、「そうですね」と応じる池田さん。古谷さんは意識して演じ分け、池田さんはキャラクターにより自然とそうなるというそれぞれのスタンスの違いが興味深い。

 池田さんと古谷さんの出会いはガンダムでの共演だったそうで、当時の話として「他の鈴置さんとか永井一郎さんとかみんなが、池田さんのことを“しゅうちゃん”て呼ぶので、僕がついそのように呼んでしまったときに「君にしゅうちゃんと呼ばれる筋合いはない」とシャアの声でハッキリと言われた。それからずっと池田さんで呼んでいるにもかかわらず、肝心の池田さんは覚えていない」という答えが観客の笑いを誘った。

 ガンダムの収録現場では、連邦とジオンで分かれ、その真ん中にナレーション担当の永井さんという構図に自然となっていたそうだ。

 


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 ファーストガンダム以外でもお二人が共演されている中、THE ORIGINで再度アムロとシャアで共演することについては、池田さんは「オリジンは安彦さんの世界で、ファーストの富野さんの世界とは少し違う」とのことだが、演じ方や指導については自分たちの芝居に両監督とも諦めていて、何も言われないという大御所ぶりをアピール。

また、今年はガンダムの40周年プロジェクトが始動しており、詳しくはホームページを見てほしいとPRした。

「赤井秀一とシャア・アズナブル、安室透とアムロ・レイのそれぞれキャラクターとして共通点があるのでしょうか?」との質問に、池田さんは「それに気づかずに役名が赤井秀一で何か変だと思った」と相変わらずの池田節なのに対し、古谷さんは「似ている。お互いが対照的なキャラになっている。池田さんの演じるキャラは常に冷静で、自分の演じるキャラは時に感情むき出し」と冷静な分析をしていた。

お互いのキャラクターとの共通点についても、池田さんは「シャアや赤井秀一と僕を比べるのは二人に失礼だ」というのに対して、古谷さんは、「クールでカッコよくて、優しくて、スキルが沢山あっていろんなことができる。僕そのものじゃないですか(笑)」と対照的な答えのお二人。

 その後、名探偵コナンの劇場版「純黒の悪夢(ナイトメア)」での決闘シーンのアフレコを再現することになり、更に、観客の中から抽選で10人へサインをプレゼントすることとなり、古谷さんから「アムロ、引きまーす!!」の台詞に会場は大いに盛り上がった。


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【質問タイム】

その後は質問タイムに入り、ファーストガンダム、Zガンダム、逆襲のシャアでのアムロとシャアの演じ分けについて聞かれると、古谷さんは、「ファーストガンダムでは、ピュアでストレートな少年らしさ。ゼータでは、多少大人のニュアンスと怖さを知った男。逆襲のシャアでは、大人の男として自分の意思を貫き通し信念を持って戦うところを意識した」とのこと。

 一方で池田さんは、「やっているときは段々自分の年齢に近づいてきたから、それなりにやりやすかった。成長した絵になるに連れてそれに乗っていった」とのことだった。

 どのシャアが一番好きかと古谷さんに聞かれると、池田さんの「ファーストの絵。安彦さんの絵が好き。オリジンは懐かしくて素敵な絵」だとの答えに古谷さんが「是非オリジンの続きをやりたいものですね」と、続編を期待するファンにとって嬉しい一言もあった。

 更には観客からのリクエストで、赤井秀一の「愛しい愛しい、恋人さん」や安室透の「僕の恋人はこの国さ!」というアニメの名セリフや、更には、名探偵コナンのスピンオフで日常生活を描いたまんが『ゼロの日常』の一コマにある「お前のことが忘れられない・・・」にもリクエストがあり、お二人がセリフを言うたびに歓声が飛んだ。

 池田さんと古谷さんご自身が、お互いにライバルだと思う面と、お互いに同志だなと思う部分について聞かれると、古谷さんは「池田さんがやるようなクールな役になかなかたどり着けないので、オーディションで競ってみたい」という点を挙げ、同志の部分はやはり日本酒の話になった。

池田さんはガンダムを例に出し、「ファーストガンダムの一年戦争はアムロの物語で、最終回でシャアの話じゃなかったんだ」と改めて思ったところにジェラシーを感じたそうで、現実世界ではゴルフを先に池田さんがやっていて、後で古谷さんが始めたけれど、最近負けることがあって侮れないライバル関係にあることを暴露した。

観客からは他にも「毎日お疲れ様、ありがとう」と言って欲しい、池田さんに「了解」と言って欲しい、中には「ふうっ」とたばこの煙を吐き出す台詞でないような台詞までリクエストがあり、お二人がリクエストに応じるたびに歓声が巻き起こった。

最後に、今後まんがや声優の世界を目指す若者に対して一言を求められ、池田さんは「目指すとしたら、ご苦労様です。真面目な話、声優は大変だと思います。歌を歌ったり、踊ったりしなきゃならない。頑張ってください。いつの日か、もしかして僕と仕事できるようになったらいいなと思います。僕も何とか長生きしようと思っています。頑張ってください。」古谷さんは「声優になりたい人への応援は同じようなことなので、僕は是非とも漫画家を目指してもらいたいと思いますね。高知はまんが王国ですしね。是非ヒットしてアニメ化されるような作品を描いていただいて、そのかっこいい主人公の声優を僕に指名して欲しい」とメッセージを残し、高知でのイベントでの再訪を約束して、会は盛況のうちに幕を閉じた。


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