漫画家 ひのもとめぐる先生インタビュー

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更新日 : 2017/09/04
漫画家 ひのもとめぐる先生インタビュー

2001年「第10回まんが甲子園」に出場し、高知県高等学校文化連盟会長賞を受賞。
2003年に「なかよし新人まんが賞」(講談社)にて準入選を果たし、
その後に漫画家として活躍する傍ら、第15回大会からまんが甲子園のレギュラー審査員として約10年間、
毎年高知に足を運んでくださっています。
個展「旅するひつじの珈琲喫茶展」をはじめ、
キャラクター・グッズ制作など多岐にわたって活躍されている先生の幅広い活動に迫ってみます

投稿して賞金を得る自信


まんさい会場図

 高知が大好きで、プライベートでも頻繁に県内を訪ねているひのもとめぐる先生。2017年「第26回まんが甲子園」に審査員として参加した時にインタビューさせていただきました。ひのもと先生はまんが甲子園出場者。それだけにこの大会については強い想いがあります。

 漫画家を目指す第一歩は中学生時代からで、同級生と一緒にまんが雑誌へ投稿する約束をしたことからはじまりました。

「友達はなかなか描いてくれなくて、私の方は先に完成したんです。でもやっぱり友達と一緒にという思いから待っていたら、二作目も完成して。『これはやばい、こいつ投稿しないな(笑)。』と思って、20ページぐらいの作品を送ったんです。

 その頃の将来の夢は、OLをしながら楽しみでまんがを描くことで、食い扶持は別で稼ごうと(笑)。

 それが中学三年生の時、三作目か四作目でしたが、後でデビューすることになった『なかよし』に30ページぐらいのまんがを送ったら、五千円をもらえたんですよ!そこで初めて、『まんがって本当にお金になるんだ」と思って。

 その当時は、漫画家って恐れ多いし、プロ作家なんて周りにいないので現実感がありませんでした。それで二回に一回ぐらい賞金をいただくようになっていて、中学生の時に総額で二万円ぐらい。高校生でそれが十万円になり、まんが甲子園に出場して、『あれ、まんがって旅行も行けるんだ(笑)。』となって。当時のまんが甲子園は個人戦もあり、各賞があって、表彰式で東京にも行けたんですよ。」

 中学、高校生で投稿したまんがが評価され、賞金も定期的に得るようになり、いつしかプロの漫画家を目指すようになったといいます。


漫画家 ひのもとめぐる先生インタビュー

自分の中の引き出しがたまっていく


ひのもとめぐる先生

 ひのもと先生は『なかよしラブリー2004年冬の号』(講談社)でデビューし、その後もプロの漫画家として作品をコンスタントに描いています。最近は少女まんがから、ティーンズラブなどのケータイコミックなども手がけて、月刊で2本ほどを発表しています。

 デビュー当時は、漫画家は必ず自分で話を考え、まんがにするものだという意識を強く持っていたそうですが、話作りに苦手意識もあり、原作付きの仕事を受けてみることに。「原作を活かし、よりわかりやすく伝える気持ちで描いてみたら、割と良い感じに仕上がりました。」といい、新たな境地をひらいたようです。それからは、原作がある作品も多く手がけるようになりました。

「もう2年前になりますが、飲料メーカーのヤクルトさんが80周年になるとのことで、記念の冊子を制作することになり、誰もが知っている有名漫画家さんに絵を入れて貰うことが決まっていました。その作家さんのイメージや企業の要望をリスニングし、シナリオや絵コンテを数本作る仕事もやりました。

 苦手意識から作画の仕事をはじめましたが、今までやってきた話作りだってできなくはない。分業という仕事の仕方を知りました。」

 さまざまな仕事に携わり、自分の引き出しが増えたというひのもと先生です。


にほんをめぐる漫画家デス


ひつじ

 インタビュー中に手渡してくれたのが、「旅するひつじですマガジンひつじとりっぷ」。自主制作の同人誌です。その2号では高知をまるまる取り上げた、旅のお供になる一冊。3号目は個展に合わせて、横浜でした。

 実は先生の名前自体に「にほんをめぐる」という意味があります。まんが甲子園で高知に来て、東京にも行けた。よし、まんがのお金で日本をぐるぐるしようという思いが、冊子にも個展「旅するひつじの珈琲喫茶店」にもあるようです。

 ひのもと先生は高知が好きで、プライベートでも良く足を運んでいます。特にお気に入りが四万十町大正。蔵元である「無手無冠」の山本さん宅に泊めてもらっているそうです。海洋堂、四万十川、カフェなど、ひつじとりっぷに掲載されています。それを読んでいただければ、その地域愛が伝わります。

 最後に、先生から漫画ファンにメッセージをいただきました。

「高知に特化したメッセージになってしまうんですが、高知県は高校生の時に『まんが甲子園』に来て、『この県はいい意味でおかしい』と思って、ずっと好きで通っているので、このままでいてほしいと思います(笑)。県民もそうですし、特に若い世代はまんがが好きで、よく読んでいますし、理解しようとしてくれていることを強く感じます。

 まんがって今、文化として成り立っていくみたいな動きがあるじゃないですか。それをいい意味でぶち壊しながら、仕上げてくれるのが高知県民だと思っています(笑)。ぜひ、まんが文化のヒントがいっぱい落ちている高知をみなさん体験してみてください!」



ひつじとりっぷ

ひのもとめぐる先生プロフィール

福岡県出身。筑陽学園高等学校デザイン科、日本デザイナー学院九州校卒業。埼玉県在住。
2001年の第10回まんが甲子園に出場し、高知県高校文化連盟会長賞を受賞。2004年、『ないしょのフォトグラフ』でなかよし新人まんが賞準入選を受賞し、『なかよしラブリー2004冬の号』でデビュー。その後はティーンズラブ漫画やケータイコミックを主に手がける。

イベント主催、ワークショップ、個展など活動も多数。

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