第5回世界まんがセンバツ 1枚まんが予選審査員講評

世界まんがセンバツデータベースでは、
全ての応募作品をご覧いただけます。

 

 

1枚まんが【高校生部門】

テーマ:新記録


予選通過作品

我想逃離地球
跨斑馬線
台湾
 

アイディア、三つのコマの大きさのバランス、構図、そして絵の可愛さ。
すべて優れている素晴らしい作品だと思います。
(大沢俊太郎)

ハナピー
長寿
 
200歳のおじいちゃん?とミスリードしておいて猫だと明かす、誘導がお見事。
ラストのコマの大きさや猫のど迫力の度肝を抜かれました。
アイディアも画力も言うことなしです。
(くさか里樹)
レンコンのうか
一世紀半袖短パン登校
 
元気なことはいいことだ!
1年生の黄色い帽子をかぶっており、まだまだ新人気分なのもすごい。
でも、よく見ると周りが草むらで通学路かどうか怪しく、その先に本当に学校があるのか不安ではあります。
(村岡マサヒロ)
ノドン
秘密の新記録
 
こういう先生、僕が高校の時ホントにいました。
わざとやってるんじゃないかとずっと思っていました。
(正木秀尚)
マッシュたけ
やっぱあの約束ナシで。
 
すべてのコマが、構図も良く、無駄も無く、吹き出しの位置も良く、最後のコマの大きさ、表情の面白さ、アイディアのひねり、タイトルのひねりまであり、全てにおいてマンガとしてのレベルがとても高い優れた作品だ思います。
(大沢俊太郎)
はこ
カレンダー
 
物語のワンシーン・・・という雰囲気が良かったです。
より映像的にコマを挿入してもよかったかも・・。
(正木秀尚)
ミスト
自己ベスト
優しい色使いやふんわりしたコマ線などが最後のほっこりしたオチにバッチリあっていますね。完全装備でギャップを強めたのも上手。
影の付け方など、画力もあります。
(くさか里樹)
鈴木田羊斉
タマネギの挑戦
 
ユーモラスな作風が印象的でした。
胃薬だったらどう?座薬だったら?・・・と想像がふくらみました。
(正木秀尚)
インドア衛門
注文から僅か30秒
 
最高気温の新記録という着眼点からはじまり、それを表現するのに真冬のかき氷、しかも口に入れる前に溶けてしまうというオーバーさ。
いい意味でやり過ぎてるところが良かったです。
濃ゆすぎる画風も相まって、とてもインパクトがありました。
こんな世の中になったら嫌です。
(森田将文)

机上の空論
 
書く速度が速いと見せかけて、答えの人物の足が早すぎるだろ!
という漫画(ですよね?)。
2こま目は擬音だけでなく、男子生徒のペンを持つ右手が素早く動いているように表現したり、答案用紙のもっと後半部分に記入していたら、より読者のミスリードを誘発できると思います。
絵はすごくきれいで、テストをしている教室の緊張感も
漂っていてよかったです。
(村岡マサヒロ)
次点作品
王老先生
人瑞
台湾
新記録=うれしい、ではないということを
少ないセリフで見事に表現してくれました。
115歳にしては見た目が若い。まだまだ孤独は続きそうです。
(村岡マサヒロ)
K
「待て」
これは普通待てませんよ〜。新記録と呼ぶにふさわしいですね。画力も高い。
新記録を表すヨダレを画面のメインにすれば
もっとよかった。
女の子が犬をいたぶってるようにも見えるので、
女の子も我慢してるとか、人物は手だけの表現にしても
よかったと思います。
(くさか里樹)
Dabin
A new record of footprints
South Korea
成長して周りを見返す。
「みにくいアヒルの子」のつくりですが、
新記録というテーマにばっちりマッチできていると思います。
キリンの絵で一瞬混乱するという意見がありましたので、
もしかしたら高さの表現はシンプルで良かったかもしれません。
絵が非常に上手いので、引き算したりコマの大きさに
もっと差をつけるなどして、見せたいものをどう見せるかを
突き詰めると、より良くなると感じました。
(森田将文)



1枚まんが【フリー部門】
テーマ:夢が叶うとき

 

予選通過作品

おおしま
互いに念願の
ゴミになる空き箱がお宝として輝き、お得感いっぱいで嬉しくなります。
抑えた色使いですが、光の表現でとても明るく感じますね。
構図もデッサンも抜群です。
(くさか里樹)
みだか
成就する時
アイディアはややありきたりだが、天界の絵はインパクトも面白みもあり、良い作品だなと思います。
もし神様の表情がちゃんと描かれていて、それも面白ければもっとインパクトや面白みが増したと思います。
(大沢俊太郎)
やま・とし
とべた!
ムササビに憧れるリス。
設定と絶妙にゆるい絵がマッチしていてとても面白かわいいです。
セリフに頼らず大胆にコマ割りしたところも腕があるなと思いました。
マスクを外したいという願いも入ってるんですかね?
(森田将文)
村中花火
みんなの空
かわいい絵柄で自然の厳しさを教えてくれましたね。
焼き鳥を食べたくなりました。
カエルが最後まで笑顔なのがいいですね。
(村岡マサヒロ)
伊藤文人
神様ワタシはただ缶ビールが呑みたいとお祈りしただけなのですが…
この人はこの運に恵まれるだけの何かを過去にやっているのかもしれないと思いながら鑑賞しました。
(正木秀尚)


次点作品
 
加藤 桂
ご臨終なんですけど
食いつく身内、亡くなったおじいちゃんの顔、
そして医師の冷静なテンション、冷めた表情の看護師、
難しい構図を見事に描き切っている、
面白くて素晴らしい作品だと思います。
(大沢俊太郎)
-
リンゴをガブリとかじりたい
切実な願いですが、単にリンゴを持って考え込む老人を描かずに、
ゲームとして表現したことで、
絵としての面白さとポップさが出て悲壮感のない
強く印象に残る作品になったと思います。歯は大事ですね〜。
(森田将文)
 
 


予選審査会 総評


【大沢俊太郎 先生】
今回のテーマ(高校生部門の「新記録」、フリー部門の「夢が叶う時」)はシンプルなだけに、似たアイディアがとても多かったと思います。
コンテストで受賞が目標であるなら、他者とは被らないアイディアを示すことはとても重要であり、最初に思いつくようなアイディアは、
まず他の人も思いつく程度のものだと考えた方がいいと思います。
過去、そして今回受賞した作品は、他の人があまり思い付かないアイディアで、なおかつ絵や構図、セリフが優れた作品だと思います。
今後応募を考えている方は、そこをとても意識する事が受賞の可能性をあげるのだと思います。
 

【くさか里樹 先生】
基本的な表現力を心得ていて、とても上手だな、と感じました。一枚の作品から物語を想像させる力があり、とても驚いています。
残念なのは、全体的におとなしく、冒険心が感じられなかったこと。
近頃は読者も安定した作品を求める傾向にあるので、作者も感じ取っているのでしょうか。そういう時代なのかもしれませんね。
 

【正木秀尚 先生】
回を追うごとに画力、表現力がUPしていると感じました。
だからこそ技術だけでなく、より鋭い発想や深い構成にチャレンジした作品をもっと見たいと思いました。
 


【村岡マサヒロ 先生】
今回挑戦してくださった皆様、投稿ありがとうございます、そしてお疲れ様でした。
作品を仕上げて世に出すというのは本当に大変なことで、それを乗り越えたのはまずは立派な勲章だと思います。

送られてきた作品を拝見して感じたのは、テーマに対して素直に考え過ぎている方が多いなということ。
例えば、高校生部門のテーマは【新記録】でしたが、「大食いで新記録を出した!」という漫画がたくさんありました。
つまり、ここまではありがちな発想で、そこに新たな視点やひねりを加えることにより個性や面白さが出てきます。
もっとはちゃめちゃでもいい。荒削りでいい。審査員の顔色なんかうかがわずに自分の持つエネルギーを爆発させてほしい!
皆様にはぜひこれからも漫画を描き続けていただき、また次回があればぜひ投稿してほしいです。

 

【森田将文 先生】
平均的な画力やアイディアは高まっていると感じました。
ただ高校生、一般、どちらの部門もシンプルなテーマだっただけに、ネタ被りが多かった印象です。
テーマをみて一発目に思いつくモノは確かに強いネタなのですが、やはり他の人もそれを思いつく可能性が高いわけです。
それなので、そこからもう一歩先にいたり、もう一捻りしていたり、着眼点を変えていたりと、
ネタの強さに加え漫画的な魅力があるかという部分を重要視して選ばせていただきました。

 

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