第30回まんが甲子園予選審査会 審査員の先生方の講評

2021/07/14
令和3年6月18日(金)に行われた予選審査会での審査員の先生方の講評をご紹介します。
 

牧野圭一先生

『継続は力なり』の言葉通り、30回を重ねた『まんが甲子園』は、ご覧のような秀作をどんどん描き上げて行く『まんが園児』を産み出して、選者たちを驚かせています。

個人的にも『一コマ漫画は 象型文字』であるという自論を持ち、繰り返し、自分のマンガ論としてネット上に展開しています。

 これからも30年を越えて走り続けると信じますが、参加ペン児の皆さんは、さらに大きな先人の遺産を受け取ることになるでしょう。
 

くさか里樹先生

動きづらいマイナス要素がいっぱいある中、沢山のご応募、ありがとうございました。

モチーフの料理の仕方や構図のダイナミックさなど、脱帽するものもたくさんありました。

毎年言っていますが、描き込みすぎてせっかくのアイディアがわかりづらくなっている作品も多々あったので、シンプルに、シンプルにどこまでもシンプルにしていくことにチャレンジしてみてくださいね。

8月の大会に一人でも多くの方の参加をお待ちしてます!!
 

Moo.念平先生

「ずっと笑顔で作品を見ていました♬」これが審査員全員の共通の感想でした。

コロナ禍に『リバウンド』『在宅○○』という決して明るいとは言えないテーマ……、

沈んだ感じの作品が多いのでは…という予想を笑い飛ばすかのように、メチャ明るく、

楽しく、カッコ良く、そしてKAWAII作品がたくさん寄せられた!

リバウンドして尚(なお)パワフルな人たち、人間以外(無生物含む)の魂の声、巣ごもり生活をレベルアップさせる様々なアイデア、おとぎ話キャラクターたちの華麗なシフトっぷり♬

中でも"ここぞとばかりに"家事に勤(いそ)しむ海賊たちの豪快かつ愛すべき姿には心から拍手を送り、この1枚を描き上げたペン児のメンタルと技量に感服!!

 どの作品も、今のこの状況を真正面から受け止め(排除ではなく共存)、乗り越え、前進する力を描(えが)いていた。順位付けなど無意味に思えるほど(←審査員らしからぬ言葉)楽しませて頂きました。

 今だからこそ楽しく♬今こそ漫画の出番!!という事を皆さんは知っていた。

「漫画はこんな時のためにあるんだ♬」という事をよくぞ思い出してくれた!……いや、

忘れた事など一度も無かったよなっ。うれしいぜ、オレのライバルたちよ!

『第30回まんが甲子園』は世界の漫画史の記念碑的な大会となるでしょう!!

 

 ペン児諸君のおかげで、私は57才にして(本選時は58才だっ)また漫画が好きになりました❤ 感謝のシルシとして私からも、皆さんにゼヒ観て頂きたい作品があります!それは…………本選大会を待て!!
 

ひのもとめぐる先生

こんな大変な世の中になってしまい、中々部活動どころか学校にも行けてない人もいるのではないかな?と心配していました。

友だちと会ったり、先生に質問しに行ったり、学校生活できない中、作品を送ってくれてありがとうございました。

私も「いつもならできていたこと」がたくさんあります。

でも「今だからできること」もたくさんありました。みなさんが描いた作品も、そのひとつになるといいなと思います。

作品はみんな楽しそうで、元気そうでとても良かったです。

今ひとつ説明や伝達力が不足している作品がありました。

でも、元気は伝わるものなんです。作品はひとの力になります。これからも「まんが」をたくさん描き続けてください!本選出場のペン児のみんなはもう少しおつきあいください!
 

クメヒロオ先生

今回はいつもと比して大分(だいぶん)少ない作品数だったことから選ぶのが楽だったということもありました。

その分、バラエティが少ない感もありました。

でもこの予想外のコロナ禍の中よくがんばって出品してくださった高校ペン児たちには感謝してます。
 

岩神よしひろ先生

リバウンドは昔からあるテーマでもあるので色々な切口があったがやはり体重にこだわった作品も多くネタかぶりでもったいないものもあった。同じ様な作品はどうしてもしぼられてしまう。

斬新なネタの作品ではウーンとうならされました。

在宅○○は、この新型コロナによって出て来たテーマでもあり、どの作品も似たような傾向になっていた。

もっと色々な切口もあるのだろうと思うが、皆初めての事なので色んな事柄と結び付けるイメージ(ヒント)が少ないためだろうと思う。

何年後かに似たようなテーマが出た時にはあっとおどろくような作品が出てくることを期待しています。