第24回まんが甲子園 入賞作品講評
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最優秀賞 青森県立弘前実業高等学校(青森県)

宇宙に行く列車をテーマにした点がまず素晴らしい。星の形を出さず「スター」という名の新幹線で勝負した。
しかも未来の形ではなく現在であるような形で。ほかに似たアイデアもなく、独自性が豊か。
宇宙人がちらりと登場しているのもいい。物語がある。1こま漫画でぱっと分かるけど、細かな部分にも配慮があった。
第2位 京都芸術高等学校(京都府)

サインをねだるいい男が3人登場して、スターらしからぬおばさまがうれしそうにスター気分に浸る。
実はみんな宅配業者という作品。リズムが良く、テンポがある。
上の3こまと下のこまとの関係性がぴったり合っていた。サインとスターという言葉の相性も抜群だった。
第3位 三重県立みえ夢学園高等学校(三重県)

本来は難しいことを例えて易しく語るのが漫画の本筋。この作品はそれができていた。
今の高校生があまり使わない「花形役者」という言葉を上手に説明している。
星の角が取れて、性格まで丸くなった。分かりやすくて面白い。
今回、上位3作品はどれも良かった。紙一重の差だ。
審査委員長賞 高知県立中村高等学校(高知県)

描いた高校生が「落ちていく星の表情に目をつけた」と話していたが、実にその通り。願いをかける流れ星が、諦めたように落ちる姿が笑いを誘う。
アイデア自体はよくあるものだが、生きた表現で上手にまとめた。
(以上、牧野圭一先生)
まんが王国・土佐推進協議会会長賞 佐賀県立有田工業高等学校(佐賀県)

ネタ自体は珍しくないが、一生懸命さや真っすぐさが評価につながったと思う。
子どもの目線で発見できることがあるという、次世代の可能性やピュアさを感じさせる。
吹き出し部分や、海の絵から透明感も伝わった。
三菱電機賞 愛知県立豊明高等学校(愛知県)

迫力があって隙がなく、世界観が完成していた。
「本当は鬼が強いんでしょ」という物語だけど、残虐過ぎない点もいい。
デッサン力や構成力など、非の打ちどころがない。
全てを理解させるサイレントの手法も見事。
全日空賞 愛知県立明和高等学校(愛知県)

上下のバランスが絶妙。
上は古い記事の黄ばみまでしっかり描け、新聞の無造作な見せ方がうまい。
下にどーんと主題を置き、めりはりが利いている。
せりふの置き方も、何とも納得できない心理が字面から伝わる。
高知県市町村振興協会賞 岡山県立備前緑陽高等学校(岡山県)

子どもの楽しそうな感じが気持ち良かった。
こういう“勘違いネタ”は、シンプルに描くべき。
勘違いのめちゃめちゃさが出るように整理すれば、よりインパクトがあった。
あえて描きたいものを捨てることも大事。
高知県高等学校文化連盟会長賞 土佐高等学校(高知県)

絵は割と込み入ってるのに、読みやすい。
若者が目立つように、群衆や吹き出しの配置が相当計算されている。
着眼点は独自性があるのに、突拍子のない話でもない。
アイデアに技術が伴った総合力の高い作品。
(以上、くさか里樹先生)
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