まんが甲子園25周年記念インタビュー(レギュラー審査員 Moo.念平先生)

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更新日 : 2016/08/25

第2回まんが甲子園の開催から24年間ずっと審査員を続けられているMoo.念平先生。
先生のまんが人生の始まりから、現在のまんが甲子園の審査員となるまでの経緯、
また、まんが甲子園に出場する学生たちに向けての想いを語ってもらいました。


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はじめに、先生のまんがを描き始めたきっかけを教えてください。

小学校の低学年頃から落書き程度のものは描いていましたが、まんがをしっかりペンとインクで描き始めたのは大学生に入ってからでした。僕が生まれた頃は年代から言って、手塚治虫先生や藤子不二雄先生、赤塚不二夫先生たちが現役でバリバリ描いている頃で、ちょっと周りを見渡せば先生方のまんがが溢れていたので、ほとんど呼吸するように先生方のまんがで育ってきました。だから自然と真似て描いたりして、それからプロになってお金をもらうようになっても、当時の鉛筆で落書きしていた頃と気持ち的にはほとんど変わっておらず、そして今もずっと同じような気持ちで描き続けています。

プロになろうと思ったのはいつ頃からですか?


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実際に職業にしたいと思ったのは、高校3年の時です。当時、ドラえもんの長編映画を観に行って、あまりにも面白くて感動的で、僕はボロボロ泣いたんです。それで、その時に子どもの頃読んでいた先生方のまんがを思い出して「あの頃自分が読んでいて面白いと思った様な感覚を、今度は僕が今の子どもに向けて贈りたい」と思い、児童漫画家になりたいと思いました。
ただ、僕は大学に入り漫画研究会に入っていたんですけど周囲には一人も児童漫画家を目指す人がおらず、ジャンプとかマガジン、サンデーのようなまんがを描きたい人しかいなかったんです。でも僕は子どもの頃に「面白かった」と思えるまんがが忘れられなくて。さらにその頃からなんとなく、そういう児童まんがが減ってきているような危機感も感じていたんです。また昔はまんが雑誌が一冊あれば寝ても起きてもまんがを読んでいて、まんが一つのウエイトがすごく大きかったんです。でも、最近ではまんが以外にテレビゲームなど子どもたちの遊ぶジャンルが色々増えて、まんがが衰退していっているような気がしたんです。そして「もしかしたら、まんがはこの先どんどん先細りになるかもしれない」と生意気にも二十歳前にそんなことを思ったんです。だから、子どもの頃、僕を夢中にさせてくれた先生方への恩返しという意味でも、絶対に子どもたちが読むまんがを作りたいと思ったんです。

第2回まんが甲子園から審査員を務めている先生。審査員となったきっかけを教えてください。

第1回まんが甲子園が行われる時、募集記事がまんが雑誌に掲載されているのを見て「すごい面白い企画だな」と思ったのが最初の出会いです。で、それから約1年ほどが経った時、少し前に出会った島本和彦先生から電話があって「一緒に審査員として来ないか?」と誘われました。もしかしたら熱血まんがを描く者同士、なにかシンパシーを感じてくださってたのかもしれませんね。それから24年間連続でずっと来させていただいています。

初めてまんが甲子園の会場に足を踏み入れた時のことを覚えていらっしゃいますか?

あの時はルールもなにもうろ覚えで参加して、言われるがままのほぼロボット状態でした。ただ自分が職業としている“まんが”を大好きな高校生が一堂に会するイベントってなかなか無いんです。そして、その空間や雰囲気を満喫し、帰りの飛行機に乗っていた時に「絶対また来たい!」と思ったことはしっかり覚えています。

今までで印象的だった大会はありますか?


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数年前、まだ、やなせたかし先生がご存命の頃に、だんだん手描きではなくパソコンで提出する学校が増えてきて、自分たちのブースにパソコンを持ち込んでいる学校も出てきたんです。ある時、パソコンを使っている学校のパソコンが壊れてしまって、完全にお手上げ状態になってしまったみたいで… 結局その学校は白紙に近い状態のものを提出したんです。それをあのお優しいやなせたかし先生が静かにお怒りになって「機械が壊れたら手で描けばいいじゃないか!」って。それぞれの学校が情熱を持って大会に挑んでいるので、最後まで諦めず皆さんに頑張って欲しいです。

 

これからのまんが甲子園に期待することはありますか?

もう四半世紀も続いていますが、ここだけの話… 今年、大御所中の大御所である里中満智子先生がゲスト審査員としていらっしゃると聞いた瞬間に「今年で(まんが甲子園が)終わってしまうのでは!」と思ったんです(笑) でも、そのくらい節目の年になると毎度ドキドキはするんですよね。しかし里中先生と実際お会いしてすごくおもしろい方で「これは終わらない! 終わらせられない!!」と、思いました。僕はいつまで参加できるか分かりませんが、参加できているうちはもうとにかくやり残しがないように2日間フル回転しようと思っています。「できることはなんでも言ってください!」と。
ここでちっぽけな僕のモットーとして「やってはいけない事はやりません、やらなくてもいい事はやります」っていうのがあるんです。だから、「やらないでください」って言われるまでは「あ! やってもいいんですね」って思っちゃうので、ちょっとでも前のめりに、出来ることがあれば色んな規制を知らん振りしてでも「やりましょうよ!」って感じでいつもまんが甲子園に挑んでます。
また、基本的には今のまんが甲子園には特に問題はないと思います。ただ、今約30校が参加しているんですが当初の予定としては47チーム、つまり『47都道府県選抜』というのが最初のコンセプトとしてあるみたいなので、それに可能な限り近づければと思っています。そうすることで学生たちには出身地を背負ってきている感があって、さらに面白い大会になると思うんです。

今後、まんが甲子園に参加される学生たちにメッセージをお願いします。


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一言で言うと「お前らには負けねぇぞ!!!!」です。将来的に僕の商売ガタキになるかもしれないですから! だからそうなった時、絶対負けたくないと思っています。形式的にはペン児と審査員ではありますが、でもどこかでいつも勝負しているような感覚はあります。つまり「学生たちが描いた作品を100%分かることが出来るのか!? 俺に!!」と、いうところもありますし「何十年もプロでやってる審査員達の目を、感性を、君たちに楽しませることが出来るか!!」 というような、火花が散るような関係でもあると思うんです。だから僕たち(審査員)がふん反り返っている場合では無いんですよね。とにかく日々勉強して、今、何が流行っているのかとか。高校生と勝負するには彼らが何に興味を持っているかとかを知っておいた方がいいですよね。だから、こちらとしては手ぐすね引いて「さぁ、見せてみろ!」っていう勝負感覚で待っています!!!

プロフィール
1984年九州産業大学在学中に第7回藤子不二雄賞に「おてんば転校生」が入選し、大学を中退して上京、本格的に漫画家の道を歩む。同年「コロコロコミック」(小学館)にて「太陽犬ゼロ」で初連載させる。代表作は「あまいぞ! 男吾」「紋次郎が行く!」「宅配ビンちゃん」など。

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